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Penguin Clinic
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内科・脳神経リハビリテーション科
循環器内科・脳神経内科

【 肺機能 】

 普通の人は全く意識しなくても呼吸はしています。空気は何処にでもあるように、呼吸をしているのはごく当たり前のことのようについ思ってしまいます。ところが一旦肺に病気が起こりますと、息を自然に吸えることがどんなにありがたいことであるか自覚できるのです。たとえばあわてて水を飲み間違って気管に水を吸い込みますと、コンコン、ゼーゼーと大汗をかいて咳き込みます。このような苦しい状態が長く続くのが気管支喘息です。

 ここで空気の通り道を思い浮かべてください。まず吸った空気は鼻の穴や口から喉を通り、丁度ノドボトケあたりで気管に入ります。気管は右と左の気管支に分かれ、それが木の枝のようにどんどん分かれて細くなっていき、肺全体に広がっていきます。その枝分かれした先端はブドウの房のように丸くふくらんだ空気の袋につながっています。この袋を肺胞と呼び、その手前の細くなった気管の枝を細気管支と呼んでいます。喘息発作はこの細気管支が痙攣を起こして一層細くなってしまうために起こります。空気の通る道が細くなり、通りにくくなってしまうのです。発作が起こりますとゼーゼーと喉をならすほど努力をしないと息が出来なくなります。

 どれくらい空気が通りにくくなっているか、これを調べる方法にスパイログラムという検査があります。計る項目は肺活量と1秒率です。肺活量は聞かれた方もおられるでしょう。精一杯空気を吸ってからその空気を最後まで吐き出すと、この吐き出した全部の量が肺活量となります。言い換えますとどれくらい多くの空気を吸って吐けるかを計るのです。もちろん体格によって違ってきますので、同じ体格と年齢の人の標準値と比べて何割であるかを見るのです。

 肺活量を計ってから次に、また精一杯空気を吸って今度は出来るだけ速く息を吐き出します。この最初の1秒間に吐き出す量が、肺活量の何割になるのかを計算すると1秒率が出てきます。すこし難しくなりましたが、要するに肺から空気を吐き出す時の速さを計るのです。空気を速く吐き出せなくなれば、それだけ空気の通り道が細くなっていることになります。細気管支の痙攣の程度が分かり、喘息の状態を正しく知ることに役立つのです。

 1秒率が落ちてしまう病気でもう一つ忘れてならないのが肺気腫です。ひどくなると一日中酸素を吸っていないと苦しくてつらくなる病気で、タバコを吸う男の人によく起こります。胸のレントゲンを撮っただけでは診断が難しく、スパイログラムを検査すると診断しやすくなります。何十年もタバコを吸った後に老齢になってから出てくることが多く、後悔しても後の祭りと言うことになりかねません。この病気を予防するには禁煙をするのが一番ですが、スパイログラムの様な検査も受けて、早めに病気を発見し、正しい指導を受けましょう。