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Penguin Clinic
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内科・脳神経リハビリテーション科
循環器内科・脳神経内科

【 心電図 】

 私達には感じることが出来ませんが、身体には非常に弱い電流が流れています。神経や筋肉が働くときにこの電流が流れます。心臓も筋肉(心筋)のかたまりですのでかなり多くの電流が流れます。胸の表面や手足に電線(電極)を張り付けて、心臓から出てくる微弱な電流を取り出し、これを増幅してグラフに記録したのが心電図です。

 心電図で判ることは、まず心臓から出てくる電気の量(電圧)です。よく心臓肥大というのを耳にされると思います。心臓が病気で大きくなる状態です。計った電圧が普通より高ければ、それだけ電流を発生する心臓が大きいことになり、心臓肥大を診断するのに役立ちます。身体につけた電極の場所によって、電圧の大きさが変わりますので、心臓の四つの部屋の何処がおかしいかをおおよそ推測することもできます。心筋の血流の良し悪しも判断でき、心筋梗塞や狭心症の診断に大いに役立ちます。

 なかでも心電図がもっとも実力を発揮するのは不整脈を診断する時です。心電図のグラフを時間のたつままに記録していきますと、心臓の動く速さやリズムが判ります。安静にしていると50から70回位、運動中は100回以上と心臓の動く回数、つまり脈拍の数はいつも変化しています。ところがじっとしているのに突然脈が一分間に150回以上の速さになりますと、これはもう病気です。発作性上室性頻拍症というものです。脈はよく触れていますが余りの速さでドキドキして、丁度お酒を飲み過ぎたような息苦しさやだるさを感じます。

 反対に脈が50回を切りますと、徐脈性不整脈といって脈のおそくなる病気を考えます。とくに30回台前半では失神など危険な状態になり、すぐに何らかの処置が必要となることがほとんどです。ペースメーカという電気装置を使って脈拍を60位に増やす治療をするのです。

 不整脈には頻拍症と徐脈の病気以外に、リズムが狂うものがあります。これも心電図で診断することが出来ます。トントンと調子よく打っているときに、たまにドキンと大きな動悸があり、脈をみますと指先に触れないで飛んでしまっている、いわゆる脈がとぶ状態です。心電図では同じ間隔で打っていた心臓のリズムが、そこで違ったタイミングになっているのが一目で分かります。これを期外収縮と呼んでいます。いつものような時期でなく、外れた時期に心臓が収縮するという意味です。

 さらに、全くバラバラのリズムで心臓が動くことがあります。ミスタージャイアンツで有名になった心房細動という不整脈です。直ちに命に関わることはありませんが、脳血栓(脳梗塞のこと)を起こしやすくなるので注意が必要です。

 最後に忘れてならない不整脈が心室細動です。心房細動と違って直ぐに危篤状態となってしまいます。心電図では鋸の歯のようなギザギザで大小ばらばらの波になります。これを心電図で正確に診断し直ちに電気ショックによる治療ができれば助かる確率はかなりあります。このように色々の不整脈を正確に診断し適切な治療をするのに、心電図はなくてはならない検査なのです。

 (※ 一部改変)